虫の知らせ
祖父母が、病棟でガンで闘病していたとき、不思議な事が沢山起こりました。
叔母は言いました。
親友のお友達の夢枕に(母)お婆さんが出てきて、「〇〇子はいつも夕方になっても洗濯物を干しっぱなしで心配」だと伝えてきたとか。
わたしは、わたしで病棟で確かに眠っているはずの祖父を大きな市立病院の向かい側の塔のガラス越しにこちらをじっと見ている祖父を見たり。
今夜が峠だろうと医師からの知らせでお家族みんなが一斉に病棟へ駆けつけた。
1番末っ子のわたしと、血のつながらない叔父の再婚者と二人で留守番をしていた。
そこでもそこでも不思議な事は起こっていた。
「お盆は虫を捕まえてはいけない」と言われていたのに兄と東京土産に捕獲したカブトムシ。
こっそりとお風呂場に隠していたはずのカブトムシがカゴから飛び出し緑色の目を光らせて仰向けになっていた。
それを見た瞬間わたしの体は、自由を奪われ動けなくなった。
金縛り状態になり、ピクピクと痙攣して動けない。
「リリーン」と電話の音がして。叔父の後妻は電話に出た。
「お爺さんが、峠で今痙攣している」との事だった、
一瞬わたしの体に憑依したのか、まさに虫の知らせなのか。
虫が緑色の目を光らせて仰向けに死んでいたこと、わたしの同時刻の痙攣は偶然なのだろうか?
その晩、お爺さんは4月に亡くなったお婆さんの後を追うようにあっけなく亡くなった。