虫の知らせ(電話)1
母の父(祖父)がなくなる前のこと、「リリーン」ある日中電話が鳴った。
母が出た。
母は電話を取るなり
「お爺さん!何かあったの!」
と大声で叫んでる。
電話は切れた。
母は受話器をとって再びダイアルを回す。
直ぐに繋がったらしい。
「お爺さん?どうしたの?大丈夫?」
と言っていたが何でもなさそうに電話を切る。
しかし、あの時の母の動揺は普通ではなかった。
電話を切るなり「あー、良かった」胸をなでおろす母。
その時の事を話してくれた。
「朋子か?苦しい」と聞き慣れた祖父の声はそう言っていたと言った。
でも何でもなかったから大丈夫!と母は言ったが「お爺さん、先がないかもね...」小声で言ったのもわたしにはわかった。
そしてそれから3ヶ月もしないうちお爺さんは亡くなった。