魔除け札
私が、寮生活をしていた時の話です。
ある事情で私は会社の寮に移転しました。
そこはマンションの1室で2LDKに4人暮らしました。
初めて寮に入ったとき感じたことは、寝室はパイプの2段ベッドが3台ぎっしり詰め込まれていて寝るだけの部屋が1室ありました。
何となく冷たい感じの部屋でした。
「何となく嫌な感じだけど寮だから贅沢言えないよね」
と思いました。
そして、同期のお友達と2段目のベッドで隣同士、楽しくお話をし初日就寝しました。
その日は、朝から気になります。
「今日ってなんの日だっけ?」
「誰かの誕生日だったかしら?」
考えてもなんの日か思い出せません。
それは、初体験の日でした。
それは初めて私が金縛りにあった日でした。
就寝中、鍵を開けてドタドタと大きな足音を立てて誰かが入室してきます。
えっ!なんの音と思った途端に私の体は一瞬で動かなくなりましました。
そしてその男は私の首を絞めて「苦しい?苦しい?」と聞きます。
苦しくて、声も出ません。
助けも呼べません。
そしていつの間にか夜が明け朝が来ました。
昨夜の怖い体験で私は翌日40度近い熱を出しました。
翌日、怖い体験を誰にも言えないまま、眠りました。
すると、同時刻を回った頃またあの恐怖が襲ってきました。
私は、その正体が何なのか突き止めたくて首を首を絞められながら目を開けました。
すると鳶職のような年配の男が腕組みをして私の顔を覗き込んでいました。
怖い!と思いながらぐっしょり汗をかきまた朝を迎えました。
私はまた熱を出します。
3日目、寮生の先輩とリビングでテレビを見ながらお菓子を食べ会話の中でそれとなく「この部屋なんだかちょっと怖い」と何気に話してみました。
すると先輩達は顔を見合わせて「そうよ、あなた気が付かなかった」と柱を指さします。
そこには何か赤く書かれた白紙が寝室の前に貼り付けられていました。
私の2日間の体験を話すと、過去にいた寮生の中にも同じ体験をした人がいたので魔除け札をつけたとの事でした。
なぜか...それは会社に原因がありました。
当時勤務していた会社は墓場を潰して建てられた土地であり、因縁が寮まで及んでいたのです。
確かに、仕事が終わった2階から物音がすることがよくありました。
そんな事ってあるんですね。
そしてその晩は何も知らないお友達には悪いけれど、寝床を交換してもらいました。
けれど3日目、やはり金縛りは襲って来ました。
私はもういい加減にして!と嫌気がさし腹がたって来ました。
「こら!何のようだ!私に何がしたい!言ってみろ!」
当時、地元でもちょっとした不良少女だった私は「このままじゃ駄目だ、よし!タイマンはってやろう」と本気で向き合いました。霊だかなんだかわからないがその鬱陶しい者が去るまで怒り続けました。
実はその筋に詳しい人からのアドバイスで弱気になっては漬け込まれる!跳ね返せ!と言われたからでその通りムカツク相手に攻撃した!
すると嘘みたいに力がす~と抜けて、鬱陶しい者は去っていきました。
その後もそのベットでは、金縛りは起きませんでした。